北朝鮮はなぜ日米韓の演習を警戒するのか――朝鮮中央通信論評に見る対日認識と軍備増強の論理
北朝鮮は日米韓の演習を、自国への軍事的圧力として一体的に捉えています。朝鮮中央通信の論評を読み、日本への警戒、ロシアや中国との認識の共通性、核・ミサイル戦力増強を正当化する論理と今後の危険を考えます。
佐藤優
2026.10.21
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朝鮮半島から北東アジアへ広がる脅威認識
朝鮮中央通信は10月20日、「力の試演には力の選択が適用されるだろう」と題する論評を発表しました。韓国軍の「護国」演習と日米合同軍事演習「キーン・ソード」を取り上げ、米国、日本、韓国の軍事協力を批判する内容です。私はこの論評を、前日(10月19日)に発表された金與正朝鮮労働党中央委員会部長の談話と関連づけて読む必要があると考えます。
金與正談話は、軍事境界線付近における韓国軍の警告放送や警告射撃を問題にしました。これに対して20日の論評は、対象を北東アジア全域に広げています。北朝鮮は境界付近の緊張と、日米韓の軍事協力の深化を結びつけ、自国の軍事力増強が必要だと主張しているのです。ただし、党幹部名義の公式談話と通信社の論評は、発信主体も政治的な位置づけも異なります。関連していることと、同じ政策決定を示していることは区別しなければなりません。