真の神学と偽りの神学――ゲルハルトは何を基準に区分したか
神について語れば、それだけで神学になるのでしょうか。ゲルハルトは真の神学と偽りの神学を区別し、さらに神自身の知と人間に与えられる知を分けました。その区分をたどり、聖書と理性の占める位置を明らかにします。
佐藤優
2026.10.22
読者限定
神についての語りを分ける基準
ヨハン・ゲルハルト(1582–1637)が「真の神学」(theologia vera)と「偽りの神学」(theologia falsa)を区別したとき、問題となったのは、神について語っているかどうかだけではありません。その語りが真実であるかが問われています。神を論題にしていても、その内容が誤っていれば、厳密な意味での神学とは呼べないのです。ロバート・プロイスの研究によれば、ゲルハルトは偽りの神学を、神についての真実でない言説として扱います。それが「神学」と呼ばれるのは、真の神学と同じ意味ではなく、名称を共有する限りにおいてです(出典:Robert D. Preus, The Theology of Post-Reformation Lutheranism, vol. 1, pp. 112–113、https://www.scribd.com/document/1076005191/The-THEOLOGY-of-POST-REFORMATION-LUTHERANISM-VOL-1-a-Preus-Robert-D-1924-1995-United-Kingdom-Mar-19-1970-Saint-Louis-Concordia-Pub)。