日本共産党は何を立て直そうとしているのか―第9回中央委員会総会と「赤本」「青本」から読む革命政党の現在―

日本共産党の第9回中央委員会総会は、社会主義・共産主義への展望と党組織再建を結びつけました。「赤本」「青本」の学習を重視する背景から、革命政党の理念と、党員・読者減少に直面する組織の現実を読み解きます。
佐藤優 2026.10.22
読者限定

中央委員会総会が持つ意味

 日本共産党の日常活動と聞いて、街頭演説や議会質問、生活相談、「しんぶん赤旗」の配達を思い浮かべる人は多いでしょう。では、党自身は、これらの活動をどのような目的に結びつけているのでしょうか。9月3日に開催された第9回中央委員会総会、略して「9中総」の文書を読むと、その答えが見えてきます。本稿では、9中総時点の決定文書を中心に、党の理念と組織再建の関係を読み解きます。

 日本共産党の規約では、党の最高機関は党大会です。党大会が基本方針を決め、中央委員会を選出します。その党大会から次の党大会まで、全党を指導し、大会決定の実行に責任を負うのが中央委員会です。中央委員会総会は年2回以上開くと定められています。中央委員会の任務には、政策・方針の徹底、中央機関紙の発行、科学的社会主義にもとづく理論活動などが含まれます。したがって中央委員会総会の文書は、党が情勢をどう捉え、全国の組織をどの方向に動かそうとしているかを知る重要な資料になります。(出典:日本共産党規約 https://www.jcp.or.jp/activity/kiyaku/ )

 今回の9中総には、第30回党大会の招集、党員拡大を根幹とする党勢拡大、支部から寄せられた「手紙」への「返事」に対する応答という三つの任務がありました。綱領一部改定を議題とする次期大会へ向けて、政治方針、理論、組織活動をつなぐ節目だったといえます。(出典:第9回中央委員会総会について https://www.jcp.or.jp/report/19545/ )

 日常活動の先に置かれた「革命」

この記事は無料で続きを読めます

続きは、3724文字あります。

すでに登録された方はこちら

読者限定
1609年の薩摩による琉球侵攻を「琉日戦争」と呼ぶべきか――歴史認識を変える言葉の力と危険性
誰でも
商業出版では出しにくい本を、読者に直接届けたい――『初学者でもわかる「法の支配」の正体』刊行
読者限定
真の神学と偽りの神学――ゲルハルトは何を基準に区分したか
読者限定
数学的帰納法はなぜ「帰納法」ではないのか――高校数学と哲学のあいだにある落とし穴
読者限定
北朝鮮の「朝鮮社会民主党」は何を代表するのか――曺晩植から李善権まで
誰でも
ロシアの対日警告を軽く見てはいけない――無人機供給問題で日本政府に迫られる対応
誰でも
北海道新聞記者拘束事件の新局面――FSBはなぜ領事面会を制限しているのか
読者限定
北朝鮮はなぜ日米韓の演習を警戒するのか――朝鮮中央通信論評に見る対日認識と軍備増強の論理