辺野古の賛否を超えて行政記録を守る――名護市議会の全会一致が示す地域自治
名護市と名護市議会を分けて考える
沖縄県の古謝玄太知事が辺野古移設を容認したことで、沖縄の基地問題は新しい局面に入りました。しかし、それによって基地を抱える地域の問題が解消するわけではありません。国と県の関係が変わっても、地元が何を要求し、何を検証するかという課題は残ります。そうした観点から私が注目するのは、名護市議会が10月20日に可決した、前県政下で作成・公開された基地関連資料の保存と県民への情報提供を求める意見書と決議です。琉球新報は21日、両案が全会一致で可決されたと報じました(https://ryukyushimpo.jp/politics/entry-5569690.html)。ここでまず区別しておきたいのは、決議の主体が名護市議会だということです。これだけで、名護市長を含む市当局全体の立場を判断することはできません。
今回の問題の背景には、10月1日の県の組織改編で「辺野古新基地建設問題対策課」が廃止され、同課が作成・公開してきたウェブサイト、動画、SNSなどの資料の公開状況が変わったことがあります。意見書は、その資料が県の基地問題への取組や経緯を確認する行政情報であり、市議会の軍事基地等対策特別委員会などの審議でも検証の基礎になっていると説明しています。つまり、過去の県政の主張を残してほしいというだけの話ではありません。名護市議会自身が、基地問題を検証し、議論するために必要な資料を利用できる状態にしてほしいという要求なのです。意見書の原文は、名護市の公式サイトで読むことができます(https://www.city.nago.okinawa.jp/soshiki/gikai-nav/2018070300096/file_contents/261020ikensho6.pdf)。