今井尚哉氏が高市外交に求めるもの――関係を切らず、日本自身の戦略を持て
今井氏は何を警告しているのか
新潮QUEが9月25日に掲載した今井尚哉氏への取材記事は、高市政権の外交戦略を考えるうえで極めて重要です。今井氏は第2次安倍政権で首相秘書官・首相補佐官を務め、現在は高市早苗首相に助言する内閣官房参与です。ただし、本人は政策の意思決定に直接関与する立場ではなく、過去の経験を踏まえて首相に助言しているに過ぎないと説明しています。この区別を踏まえて読む必要があります。以下、今井氏の発言と、それについての私の分析を分けて論じます。出典:「週刊新潮」編集部「『世界との関係を簡単に切っちゃいけない』――安倍元首相の懐刀『今井尚哉』内閣参与が語る『高市外交』への忠告」、新潮QUE、2026年9月25日。https://que.dailyshincho.jp/node/21141/
今井氏の第一の警告は、国際関係を一時の感情で断ち切ってはならないということです。外交には、正しいと思うことをすべて口にすればよいわけではないという制約もあります。記事によれば、今井氏は高市首相の台湾有事と「存立危機事態」に関する国会発言を、言うべきではなかったと明確に批判しています。これは台湾の安全保障を軽視する発言ではありません。法的な事態認定は具体的な状況を踏まえて行うものであり、あらかじめ首相が踏み込んだ言葉で特定の事態に結びつければ、相手国に利用され、日本自身の外交上の選択肢も狭まります。私はそのように読みました。記事中の中国による対日圧力に関する記述は編集部による説明であり、今井氏自身の発言と混同してはなりません。